2019年6月17日

歯の矯正について

歯の矯正は、ワイヤーやマウスピースを使って歯並びを正常に並びかえたり、かみ合わせを正常に治したりすることです。

その目的は、見た目を整えるだけではなく、「口腔機能」という口の中の正常な機能を回復にすることまでを含んでいます。
ただ歯を並べてきれいにする治療ではなく、本来あるべき歯の機能を最大限に引き出してあげる治療です。

※口腔機能とは、噛むこと、飲み込むこと、発音することなどを言います。

歯がふぞろいだったり、上下の顎の歯ならびがお互いにちゃんと噛み合わない状態を、専門的には「不正咬合」といい、放っておくとお口の中で様々なトラブルを引き起こすことがあります。

1.見た目が気になります。
前歯が出ていたり、歯並びがガタガタのせいで、口を開けて笑うのが恥ずかしい、人の目が気になって話す時につい口元に手を当ててしまうという話をよく聞きます。

日常のそうしたことの積み重ねがストレスになり、体調を崩してしまう場合もあります。

2.顎の成長や顔のかたちに悪影響を及ぼします顎の骨や顔の筋肉は、きちんと正しく噛むことで発達すると言われています。
咬み合わせが悪い場合、それができず、顎が十分に発達できないため、顔が歪んでしまうこともあります。
これから成長期を迎える子供にとっては特に重大な問題です。

3.虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
丁寧に歯磨きをしているつもりでも、歯が重なったり、凸凹に並んでいると、どうしても隅々までキレイに磨くことができず、食べかすや汚れが残ったままになり、虫歯や歯周病になってしまうことがあります。

4.食べ物がよく噛めません。
歯並びや噛み合わせが悪いと、食べ物をきちんと正しく咀嚼できません。
そのためよく噛まずに飲み込んだり、丸飲みするクセがついてしまうため、消化に良くないだけでなく、胃腸にも絶えず大きな負担をかけることになります。

5.発音しにくくなります。
噛み合わせの状態によっては、様々な発音障害が生じます。
本人は正確に話しているつもりでも、まわりの人には聞き取りにくかったり、誤解されてしまうこともあります。

■矯正治療を受ける年齢について
最近では30代、40代になってから歯の矯正治療を受ける方も増えてきていますね。歯並びを治すと、口元が若くなるだけでなく、顔の筋肉のバランスがよくなるので顔にも張りが出ます。

目が大きくなったという方もいらっしゃいます。さらに健康にもつながりますから、エイジングケアの観点からも好ましいと考えます。虫歯や歯周病などにもなりにくくしますから、健康や長寿にもつながってきます。

■矯正治療の種類
歯の矯正は大きくわけて3種類があります。「ブラケット」と呼ばれる矯正器具とワイヤーを歯の表につける方法、それを歯の裏につける方法、マウスピースを使う方法があります。

ワイヤーを歯につけるブラケットは昔から行われている矯正の方法です。表につける場合と裏につける場合がありますが、このうち歯の裏側にブラケットつける方法では、正面から見ても矯正装置が見えないので、外見が気になりにくいメリットがあります。

また裏につける方法では、虫歯になりにくいというデータもあります。舌で矯正装置にさわるので、異物感が気になる人もいますが、1週間ほどすると慣れる人が多いですね。

最近では、マウスピースを使った矯正方法も出てきています。取り外しができるのはメリットとなります。
一方で、歯を動かす力は弱く、歯並びの悪さがさほど目立たない簡単な矯正に使われることが多いとされていました。
ですが、日々進歩しており、最近では、難しい場合でもできるようになってきました。

■矯正の治療の期間や来院に必要な回数
まず検査を受けていただきます。矯正治療のためのレントゲン検査を行って歯の状態を調べたり、歯の模型を作ったりします。

また、コンピューター上で3D画像を作ることもあります。そうして矯正をどのように行うか計画を立てます。
その上で治療を進めていくことになります。治療にかかる期間は、歯並びやかみ合わせの状態によって変わります。
簡単な歯並びの矯正でしたら、半年程度で完了する方もいますが、一般的には2~3年かかることが多いと思います。

矯正の治療は1カ月に1回ほどの頻度で歯医者さんに通うことになるのが一般的です。
3~4週間で歯は吸収と再生を繰り返していますので、そのペースに合わせて矯正治療を進めていくためです。

ただし、個人差が大きいので、費用も期間も、いろいろあります。始める前によく相談してください。

■矯正治療のデメリット
矯正治療をはじめたばかりのときは、歯を圧迫することから、かみしめるときに痛みを感じる方もいます。
一時的には食べ物の制限が出たり、舌がぶつかったりすることがあります。
たいていは2、3日、長くても1週間ほどで痛みは引いてきます。

【まとめ】
歯科治療のゴールは、口の機能を正常にして、栄養をしっかり取れるようにして元気にしていくことです。
歯を矯正にして、口腔機能を正常にして、全身の健康を実現することまで考えることが大切になります。

そのような理由から、歯並びだけではなく、舌の運動や口の訓練のほか、鼻で呼吸をする練習をするといったことも同時に行っていきます。

それらをすべて含めて、口の機能をできるだけベストな状態に持っていくというのが矯正治療だと考えて下さい。
見た目も大事ですが、それだけではありません。
矯正治療について、興味があればお気軽にご相談ください。