2018年7月9日

妊娠中に起こる口内トラブルの原因や出産との関係

妊娠中に歯ぐきが腫れて痛いことはありませんか?
妊娠中に起こる口内トラブルの原因や出産との関係をご紹介します。

妊娠中も歯科の治療を受けることは可能です。なぜ妊娠中に歯が悪くなるのかを知って予防に努めれば、妊娠中の虫歯に悩まされることはなくなります。

今回は妊娠時に役立つ、お口の変化についてご紹介したいと思います。

■妊娠中は歯周病菌が育ちやすくなります。

妊娠初期のつわりの時期は、お口の環境が悪くなりやすくなります。
歯磨き自体が吐き気を催すもとになったり、十分に歯垢を落とし切れずに歯磨きを終えたり、吐くことで口内が酸性に傾いてしまうのも虫歯を作る原因になるからです。

また、妊娠すると女性ホルモンが増えます。
増える事は問題ないのですが、歯周病の原因となる歯周病菌が女性ホルモンを好む為、お口の中の女性ホルモンが増えると歯周病菌も増えてしまいます。

そのため、妊娠したというだけで歯茎が出血しやすくなってしまう、腫れやすくなるといった症状が起こりやすくなってしまいます。

対策として、3つの方法が挙げられます。

体調の良い時間帯に歯磨きをする。
つわりがひどい時は、無理に歯磨きをせずに体調の良い時に歯を磨いてください。

デンタルフロスを使用する。
つわりのときは磨き残しが増えるので、デンタルフロスを使用し、歯と歯の汚れをしっかりと除去してください。

味の強い歯磨き粉を使用しない。
歯磨き粉の味や匂いによって、気持ち悪くなってしまうことがあります。無味無臭の刺激が少ない歯磨き粉を使用てください。

場合によっては、「歯磨き粉をつけない」磨き方もあります。

■口内炎ができやすくなります。

妊娠中はストレスが溜まりがちです。

睡眠不足や疲労が蓄積すると、口内炎ができやすくなります。
また、栄養不足でも口内炎になります。

妊娠中は摂取した栄養分を赤ちゃんに優先的に送るので、自分の身体への栄養が不足してしまうということでも口内炎ができやすくなり、口臭がきつくなりやすいです。

妊娠中はつわりなどの影響で、規則的な食事がとりにくくなります。そのため少量の食事を何度も食べるということになり、歯磨きも面倒になってしまうことがあります。

加えて唾液が酸を取り除く力も落ちるため、口内に歯垢などの汚れが残りやすくなります。
お口の中を清潔に保つことが難しくなるため、妊娠中は口臭がきつくなりがちになります。

■歯周病と早産との関係

赤ちゃんへの影響として懸念されるのは、実は虫歯の治療そのものよりも歯周病です。妊婦が歯周病にかかっていると、低体重児や早産のリスクが高まるというデータがあります。ある大学の研究によれば、歯周病の人の早産と切迫早産のリスクは、健康な歯の人の約5倍も高いという結果が出ています。

この原因は、歯周病の炎症によって分泌されるサイトカインという物質にあります。陣痛はプロスタグランディンという子宮収縮作用のある物質によって引き起こされるのですが、このプロスタグランディンの分泌をサイトカインが促進してしまうのです。歯周病が重度になればなるほど炎症も強くなりますから、早産のリスクも比例して高まっていきます。

まとめ
妊娠中は身体もつらいし精神的にも不安定になります。
そこに口内の悪影響も覆いかぶさってくるとさらにつらいですよね。
歯磨きをちゃんとするだけでかなり症状は改善する為、
なるべく症状が重くならないように、1日3回の歯磨きだけはより丁寧に時間をかけてやるようにしましょう。