2018年9月18日

知覚過敏『しみる歯』は放っておいても大丈夫??

『しみる』症状は、歯の表面を硬くおおっている
エナメル質を失うことが原因で起きます。
エナメル質が失われると、象牙質がむき出しになり、
ここから神経の方へと外部からの刺激が伝わってしまいます。

しみる症状はむし歯の初期症状に似ていたりするので
もし似たような症状の場合お気軽に聞いてください。

■しみる症状の原因
1、歯ぎしり・食いしばりしていませんか
過剰な力は歯のヒビ、欠け、咬耗、詰め物や被せ物の
傷みの原因になります。
自分では気づかない癖なので、お口にその痕跡がないか
医院で診てもらってください。就寝中につけるマウスガードもおすすめです。

2、力を入れて歯磨きをしていませんか
力を入れて歯磨きをすると、歯を摩耗させたり
歯茎をやせさせてしまいます。どの程度の力で磨いていいかわからない方は医院で歯磨きの指導を受けて下さい。

3、毎日、しっかり歯磨きをしていますか
歯磨き不足は歯にベッタリつく歯垢が残り歯垢のなかにはむし歯菌の出した酸が溜まり、スメア層や再石灰化層を溶かし知覚過敏のリスクになります。

4、熱中症になにを飲んでいますか
暑い季節の熱中症予防に毎日イオン飲料を飲んでいる方が多いと思います。イオン飲料は酸性度が高く、飲むたびに歯が溶けます。普段はなるべく水やお茶にしましょう。

5、ヤニとり歯磨きを使っていませんか
ヤニ取り歯磨きは研磨力が強く、ステイン除去機能の高い歯磨き剤も、研磨剤がたくさん入っているものがあるので避けた方が無難です。
歯磨き剤選びに迷ったら医院で相談してください。

6、すっぱい物の取りすぎてませんか
柑橘類、酢や酢の物を健康のために積極的に食べる人が増えていますが酸味は身体に良くても歯には悪いことも多いので、自分に合った食べ物を医院で相談してください。

7、お口の中はパサついてませんか
持病で飲んでいる薬の副作用で唾液の分泌が減り、歯の再石灰化やスメア層の形成がスムーズに進みません。
また、体調が悪い時も知覚過敏になりやすいです。

■知覚過敏の治療
知覚過敏は経過を診ながら治療をします。
診察でもレントゲン検査でも原因が見つからない場合、
問診によって浮かび上がった生活習慣の問題を改善し、
自然治癒をうながす事、もう一つが試しに歯を無色透明のコート材でおおってみて、知覚過敏の症状が治まるかどうか経過観察することです。

●知覚過敏の治療は段階的に進めます。
STEP1 日常生活に知覚過敏のリスクがないか問診し、検査と指導を行います。
生活習慣指導、食事指導、歯磨き指導、胃食道逆流症など関連疾患の治療、持病のお薬の検討

STEP2 元に戻せる治療法で試しながら、症状が改善するか経過を診ます。
検査結果を説明し処置を開始します、症状を抑える薬を付けます、歯に色のつかない薬剤を塗ったり、コーティングしたりします

STEP3 STEP1で効かない場合、次の治療の選択肢へと進みます。
さらにガッチリと歯をシーリングします、レジンで歯の表面を覆います、マウスガードを使い歯ぎしりの影響を和らげます

STEP4 STEP2でも効かない場合、さらなる治療へと進みます。
ぶつかり合う歯の噛み合わせの調整を行います。
詰め物を詰めなおします、歯根を歯茎で覆うための再生療法や歯周外科を行います

STEP5 さまざまな治療を試みて、どうしても改善しない場合。
神経を抜きます(時には抜歯も)

知覚過敏の治療は可能性があると考えられる治療法を、軽い物から順に試していき、場合によっては神経を抜く治療が必要になる事もあります。
『受診して、即日治る』というケースばかりではないので、ぜひご理解を頂ければと思います。